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パターンの雑学 |
パターン[Pattern] パターンを直訳すると、模範・手本・型・基本型・様式・模型・模様・柄・見本・例・機構・情勢・傾向などいろいろありますね。服飾用辞典などで調べると、やはり模様や柄ということになるかと思います。 服地をはじめ服飾品のなかには、トラッド派が好むさまざまなパターン(模様や柄)があります。ここでは、トラッド派が特に好む模様や柄について、少しずつ紹介していくことにしましょう。 とは言っても、私の独断と偏見であることはお断りしておきましょう。 |
【トラッド好みのパターン】 |
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◆ガンクラブ・チェック ◆タッターソール・チェック ◆ブラックウォッチ |
◆グレナカート・チェック ◆ハウンド・ツース・チェック ◆ヘリンボーン |
◆タータンチェック ◆バーバリーチェック |
タッターソール・チェック [Tattersall check] |
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タッターソール・チェックは乗馬格子ともいわれるチェック柄です。18世紀イギリスの騎手リチャード・タッターソール(Richard Tattersall)がロンドンに創設した馬市で、馬にかけた毛布の柄からこの名がついているそうです。右に続く… | ふつうは白地に赤と黒、白地に黄と茶など2色使いの細い織格子柄になっています。オッドベストやスポーツシャツなどに用いられることが多いです。上段の写真はすべて私のハンカチをサンプルにしました。 | |
こちらのタッターソールチェックは、ブロードクロスのボタンダウンシャツです。ご覧のように胸ポケットにフラップが付いているでご存知の方にはすぐわかるでしょう。こちらJ.PRESSのものです。タッターソールのシャツって大好きです。 | こちらの見本もボタンダウンシャツです。これも胸ポケット部分ですが、こちらはフラップ付きではありません。VANのボタンダウンシャツで、ビエラ生地のタッターソールチェックです。私はこの柄のオッドベストが欲しくてたまらない。 |
ハウンド・ツース・チェック [Hound's tooth check] |
ガンクラブ・チェック [Gunclub check] |
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ハウンドは猟犬のこと、ツースは歯のことです。日本では空飛ぶ鳥に見えるため俗に「千鳥格子」と呼ばれるこの柄も、お国が変わればなんと犬の歯に相成るようですね。いや、昔読んだ読み物によると犬の歯形のように見えるところから付いた名前だったでしょうか。 いずれにしても、古典的なトラディショナル・パターンのひとつであり、配色としては白・黒および白・茶などがこの柄の典型でしょうか。ちなみに、上の見本写真は、私のハンティングキャップの柄です。 |
縦横が同じ幅の小格子に、シェパード・チェックというのがあります。ハウンド・ツース・チェック(千鳥格子)にも似てはいますが、犬の牙のようなギザギザがありません。そのシェパード・チェックを、他色の格子と重ね合わせた格子をガンクラブ・チェックといいます。 ガンクラブ・チェックは、アメリカ東部の猟銃倶楽部でこの柄が制服に採用されたことから、その名が付けられていますが、スポーティーなジャケットなどに多いパターンです。上の見本写真は、私のハンティング・キャップの柄です。 |
タータン・チェック [Tartan check] |
タータン・チェック [Tartan check] |
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派手な色使いで格子柄のスカートをはいた兵隊さんでおなじみのタータン・チェックは、スコットランド高地の氏族に端を発しているといわれます。もともとは氏族を現すための飾章・紋章として使われていたそうで、分家した場合は新しいパターンが増えたようです。右に続く… | タータン・チェックは様々な用途があり、クラン(clan)タータン、レジメンタルタータン(連隊用)など、今では170種以上といわれます。 タータン・チェックは、トラッド派がとても好みます。上の写真はともに私のマフラー、左上は私のスラックスの柄です。 |
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バーバリー・チェック [Burberry check] |
ブラック・ウォッチ [Black watch] |
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バーバリー・チェックが登場したのは1924年、カントリー・タータンと呼ばれる柄からアレンジし公募で決定したのも有名な話です。コートの裏地としてデザインされたバーバリー・チェックですが、今では様々なアイテムに使われています。上の写真は、私のマフラーの柄です。 | ブラック・ウォッチ(黒い番人)もまたレジメンタル・タータンの一種です。その名が示すように全体が暗い色彩で、青地に緑と黒の配色による格子になっています。アイビー・トラッドの大好きな柄のひとつで、上の写真は私のブレザーの柄です。 |
グレナカート・チェック [Glenurquhart check] |
ヘリンボーン [Herringbone] |
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グレンチェックの呼び名で知られますが、正式名は「グレン・アーカート・チェック」。語源は、グレナカート家の柄だという説と、アーカート峡谷(グレン)で織られたという二つの説があるようです。 いずれにしても、伝統柄の代表選手として広く愛されている柄のひとつですね。ちなみに、私もこの柄のスーツは夏物冬物両方を持っています。そのほか、トランクスの柄としても採用しています。 |
へリングは「にしん」、ボーンは「骨」、つまり「にしんの骨」ですね。たしかに魚の骨にも見えるこの柄は、日本では杉の葉に似ているところから「杉綾」と呼ばれるようです。 この柄のオーソドックスな配色は、白と黒または白と茶などです。コート向きの大きな柄から、スーツ・ジャケット用の小さな柄まで様々なタイプがあります。上の写真は私のジャケットです。 |
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