HOME > TRADのファッション雑学集 > ポケットの雑学
ポケットの雑学 |
・・・・ これでもほんの一部かと思いますが、ポケットの種類や呼び名を調べてみました。・・・・
---- INDEX ----
※名前をクリックすると、コメントにジャンプします |
ウェスタン・ポケット[Western pocket] | ||
ジーンズの古典的脇ポケットのことをウェスタン・ポケットと呼び、弓形の曲線が特徴でクラシック・ジーンズには大抵このデザインのポケットが採用されています。一名をフロンティア・ポケット[Frontier pocket]とも呼びます。 リベッテッド・ジーン・ポケット[riveted jean pocket]とは、文字どおりリベット止めで補強したジーンズ用のポケットで、この方法はリーバイスによって開発されたようです。 ファイブ・ポケット[five pockets jeans]とは、2つの脇ポケット+2つの尻ポケット+ウォッチ・ポケットの5つを指しますが、ファイブ・ポケット・ジーンズと言えばクラシック・ジーンズと同じく古典的ジーンズのことをいいます。 |
ウェルト・ポケット[welt pocket] | ||
ポケット口に口布(ふち飾り)を付けた、切りポケットの一種で俗にいう箱ポケットのことです。写真のようにスーツ等の胸ポケットをはじめ、コートの脇ポケットなどにしばしば採用されている帯状の切りポケットのことをウェルト・ポケットといいます。 スーツ等の胸ポケットを強調し、チェスト・ウェルト・ポケット[chest welt pocket]という呼び方もあります。後述しますが、ウェルト・ポケットにはボタン留め(ボタンド・ウェルト・ポケット)のバリエーションがあります。 私が中学生になるとき出会った詰め襟の学生服もまた、胸ポケットはこのウェルト・ポケットでした。学生服がトラディショナルかどうかは分かりませんが、ずい分古くからのお付き合いになります。 |
ウォッチ・ポケット[watch pocket] | ||
スラックスの右腰に付けられた小さなポケットのことです。その名前が示すように、本来は(懐中)時計を入れるためのポケットだったのでしょうが、現在ではデザイン的な意味合いが強いようですね。もちろん私も、このポケットに時計はもちろんのこと、いかなる物も入れたことはありません。 ちなみに、写真上はフラップのないタイプなのであくまでもさり気なく、よく見ないとそれとは気が付かないですね。写真下はボタン留めのフラップ付きのウォッチ・ポケットです。 なお、フォブ・ポケット[fob pocket]は、ウォッチ・ポケットの同義語です。 |
逆玉縁ポケット[inverted piped pocket] | ||
縁取り式ポケットを総称して玉縁ポケットといいます。玉縁ポケットには、片玉縁、両玉縁、親子玉縁、蓋(ふた)玉縁などのバリエーションがあり、逆玉縁ポケットもそのひとつです。 逆玉縁ポケットは、ポケットの口がふた付きのようになっています。手を入れるには逆向きになるので、このネーミングなんでしょうね。あくまでも、激しい動きをしてもポケットの中身が落ちないための仕掛けでしょう。 写真のようにスイングトップには、逆玉縁ポケットが採用されています。 |
ストレート・サイド・ポケット[straigh side pocket] | ||
トラディショナル・スラックスに見られる特徴のひとつであり、脇ポケットが縫い目に沿って縦に(垂直に)切られているポケットです。それゆえにバーチカル・ポケット[vertical pocket]とも呼ばれています。ちなみに、私が持っているスラックスのほとんどがバーチカル・ポケットです。 これに対して脇ポケットの切り方が斜めになっているものをホワード・セット・ポケット[forward set pocket]またはスランテッド・ポケット[slanted pocket]といいます。 ブルックス・ブラザーズでは、スーツ用スラックスにはバーチカル・ポケットを、単品のスラックスにはホワード・セット・ポケットをと、それぞれを区別するようになったと言われています。 |
チェンジ・ポケット[change pocket] | 残念ながら、 私はチェンジ・ポケットやハッキング・ポケットの付いた服を持っていません。ここはネットの助けをお借りしましょう・・・・ 例えばこちらです。 |
|
チェンジとは釣り銭または小銭のことなんですね。チェンジ・ポケットとは、ジャケットの脇ポケットの上に付けられている小さなポケットのことです。フラップ付きが一般的のようです。ブリティッシュなデザインのジャケットに多く見られます。また、ジーンズの右脇の小さいポケットをこう呼ぶ場合もあるようです。 ハッキング・ポケット[hacking pocket] 乗馬用上着(ハッキング・ジャケット)の脇ポケットに付けられている、角度の急なフラップ・ポケットのことです。この角度のついたポケットは、乗馬の際に手が入れ易いことからこのようになっています。チェンジ・ポケットを伴っていることも多いようです。 スランテッド・ポケット[slanted pocket]とも呼ばれます。 |
パッチ・ポケット[patch pocket] | ||
ポケットは切り込み式と張り付け式に大別できますが、パッチ・ポケットはいわゆる貼り付け式ポケットの総称です。 フラップが付くなどのバリエーションがありますが、写真のようにフラップがないものはその名も、フラップレス・パッチ・ポケット、プレーン・パッチ・ポケット、アウト・ポケットなどの呼び名もあります。ブレザーなどにはなくてはならないポケットですね。 ちなみにパッチ・ポケットに相対する言葉としては、セットイン・ポケット[set-in pocket]があり、切り込み式ポケットの総称です。 |
パッチ・アンド・フラップ・ポケット[patch & flap pocket] | ||
張り付け式のパッチ・ポケットにフラップを組み合わせたポケットが、その名もパッチ・アンド・フラップ・ポケットです。 写真のようなトラディショナル・ブレザーには必ず登場するポケットですが、フラップ・アンド・パッチ・ポケット、フラップド・パッチ・ポケットとも呼ばれるようです。 くどいようですが、パッチ・ポケットとパッチ・アンド・フラップ・ポケットは、トラディショナル・ブレザーにはなくてはならない第一の特徴です。ダブル・ステッチが施されていて、これがまた若々しくてとてもいいのです。 |
ハンドウォーム・ポケット[hand warm pocket] | ||
写真は脇ポケットの裏に手を入れて温めることができるハンドウォーム・ポケットになっています。 同じ用途としてマフ・ポケット[muff pocket]があります。マフとは元々毛皮製円筒状の手の防寒具のことですが、これにヒントを得たのがマフ・ポケットです。フード付きトレーナーなどに見る、たて切り筒状のポケットのことですね。 ピーコートの脇ポケットもマフポケットと呼ばれ、別の名をハンド・ウォーマーやハンド・ウォーム・ポケットといいます。似た名前にハンド・ポケット[hand pocket]があり、たとえばジー・ジャンのフロントポケットのことです。 |
ビブ・ポケット[4-in-1 bib pocket] | ビブ・ポケットは、これやこんな感じです。 | |
ビブ(胸あてつき)・オーバーオールについている胸ポケットのことです。4-in-1とあるのは、胸あて全体が4つのブロックに区切られているからこう呼ぶのでしょうが、機能的というかまるで収納ケースのような面白いポケットですね。 カーペンターやペインターが、ここに物を入れているかは定かではありません。ちなみに、オーバーオールのことをサロペットともいいますね。私も十代の頃には着ていましたが、現在は持っていません。 |
フラップ・ポケット[flap pocket] | ||
いわゆるふた付きのポケットのことで、トラディショナル・スーツやジャケットには数多く採用されています。 写真はアメリカン・トラディショナル・スーツの脇ポケットなので取り付け角度が水平です。これに角度がつくとスランテッド・ポケットやハッキング・ポケットとなります。 チェンジ・ポケットもフラップ・ポケットのバリエーションのひとつでしょう。 ちなみに、私が中学・高校で着ていた詰め襟学生服、脇ポケットはやっぱりフラップ・ポケットでした。 |
フラップ・アンド・ボタンダウン・ポケット[flap & button-down pocket] | ||
フラップ・ポケットのフラップをボタン留めにしたものを、フラップ・アンド・ボタンダウン・ポケットといいます。 写真左は、ヒップ・ポケットに採用されているものですが、フラップ付きのウォッチ・ポケットもまたバリエーションのひとつでしょう。 写真右は、ボタンダウン・シャツの胸ポケット(チェスト・ポケット)に採用されている例です。かなり見づらいですが、これもフラップ付きでボタン留めのポケットになっています。 |
ベロウズ・ポケット[bellows pocket] | ベロウズ・ポケットは、 立体感あるこんな感じのポケットです。 |
|
ベロウズとは蛇腹・ふいごのことのようですが、ベロウズ・ポケットとは、ポケットの両側と底の部分に折り襞を施してあるパッチ・ポケットのことです。アコーディオン・ポケット、カーゴ・ポケット、バッグ・ポケットなどとも呼ぶようです。 ベロウズ・ブレスト・ポケット[bellows breast pocket] ベロウズタイプの胸ポケットのことです。サファリ・ジャケットをはじめ、アウトドア向けのジャケットなどに多く見られるポケットです。 |
ボタンスルー・ポケット[button-through pocket] | ||
オーソドックスなごく普通のスラックスの尻ポケットに多くみられる、ボタン留めのできるポケットです。 よく見ると縁取り式のポケットになっていて、この場合は両玉縁(ダブルパイピング)ポケットになっていますね。 ヒップ・ポケット[hip pocket] いわゆるお尻に位置するポケットの総称です。 |
ボタンダウン・フラップ・ポケット[button-down flap pocket] | ||
ポケット口を覆うふた付きで、ボタン留めのポケットです。 この写真のようなジャンパーのほかに、トレンチ・コートやステン・カラー・コートの脇ポケットなどにもよく見られるポケットです。 私が好むのは、見づらいですが写真のようにステッチが効いていて形も趣きのあるのもですね。 フラップ・アンド・ボタン・ポケット[flap & button pocket]も、同義語です。 |
ボタンド・ウェルト・ポケット[buttoned welt pocket] | ||
コートの脇ポケットなどにも多く採用されるウェルト・ポケットですが、私の持っているステンカラー・コートのように、ボタン留めになっているのがボタンド・ウェルト・ポケットです。 またスロッテッド・ポケット[slotted pocket]またはスラッシュ・ポケットといって、表のウェルト・ポケットの口から内側へは貫通しています。 マガジン・ポケットに入れた物が取り出せるのはもちろん、コートの中に着ている服やスラックスのポケットの物も取り出せるようになっている便利なポケットです。 |
マガジン・ポケット[magazine pocket] | ||
コートの内側にある大きな袋状のポケットのことを、マガジン・ポケットといいます。 その名が示すとおり普通の週刊誌なら、ご覧のとおりスッポリと楽に入ってしまいます。 しかも、スロッテッド・ポケットの場合は、表からも裏からも手が入れられてとても便利に使えます。 スラッシュ・ポケット、スラッシュ・ウェルト・ポケットは、ともにスロッテッド・ポケットと同義語です。 |
両玉縁ポケット | ||
縁取り式ポケットの総称を玉縁ポケットといいますが、その上下両方を縁取ったポケットが両玉縁ポケットです。 このJ.PRESSのジャケットがそうであるように、両玉縁ポケットは上着の内ポケットなどにも多く採用されています。写真では、はっきり見えませんね。 さて、パイピング・ポケット[piping pocket]は、玉縁ポケットの同義語です。したがって、両玉縁ポケットはダブルパイピング・ポケットとも呼ばれます。 余談ですが、J.PRESSといえばご覧のような赤い縁飾り(パイピング)ですね。 |
HOME > TRADのファッション雑学集 > ポケットの雑学